高齢者が体温計の音が聞こえないのはなぜ?訪問看護で見つけた盲点とおすすめの対策体温計

おすすめ体温計

訪問看護をしていると、体温測定のたびにかなりの頻度で聞かれる言葉があります。

「鳴った?」
「もう終わった?」
「まだ?」

最初はたまたまだと思っていましたが、何年も訪問を続けていると気づきます。

高齢者は、体温計の「ピピッ」という音がかなり聞こえていません。

しかも、一部の人だけではありません。
感覚的には“ほぼ全員”です。

でも不思議なことに、この問題はあまり話題になりません。看護師や家族が「終わりましたよ」と声をかければ測定自体は成立するからです。

現場が毎回カバーしているので、「困っているのに問題化しない」という状態になっている気がします。

今回は、訪問看護の現場で当たり前になっている“体温計の音が聞こえない問題”について書いてみます。

1. なぜ聞こえないのか?(周波数のデータ)

人間の耳は、加齢とともに「高い音(高周波数)」から聞こえなくなっていきます。

体温計の音

一般的な電子体温計のピピッという音は、およそ2,000Hz〜4,000Hz(ヘルツ)という非常に高い音で作られています。

高齢者の聴力

聴力データの推移を見ると、40代・50代から徐々に高い音が落ち始め、70代・80代になると2,000Hz以上の高音域は極端に聞き取りづらくなることが分かっています。

つまり、体温計の音は「高齢者が最も聞き取りにくいピンポイントの音域」に設定されているのです。

2. 高齢者のどれくらいが難聴なのか?(割合のデータ)

厚生労働省の関連データや日本老年医学会などの報告によると、加齢性難聴の割合は年齢とともに以下のように急増します。

年齢層難聴(聞こえにくさ)を抱える人の割合
65歳〜74歳3人に1人(約33%)
75歳以上約半数(約50%)

「半数なら、全員じゃないのでは?」と思われるかもしれませんが、これは日常会話(低い〜中間の音)に支障が出ている人の割合です。日常会話は問題なくても「体温計の音だけピンポイントで聞こえない」という潜在的な層を含めると、現場の“ほぼ全員”という感覚に限りなく近くなります。

3. なぜ「困っているのに問題化しない」のか?

自覚症状がない

高音から徐々に聞こえなくなるため、本人は「耳が悪くなった」と気づきにくい(体温計の故障だと思っているケースも多いです)。

対策商品の存在

実はメーカー側もこのデータを把握しており、テルモなどのメロディ音体温計(高低を組み合わせた音)や、振動(バイブレーション)で知らせる体温計を開発しています。しかし、普及率や現場への導入がまだ追いついていないのが現状です。

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まとめ

訪問看護の現場で、毎日のように繰り返される「まだ鳴ってない?」という言葉。それは、日常の何気ない一コマですが、高齢者の方々が日々直面している「静かな不便さ」を教えてくれる大切なサインでもあります。

私たち看護師が「終わりましたよ」と笑顔で引き取ることでその場は丸く収まりますが、本当に大切なのは、その先にある「本人のもどかしさ」に気づくこと。

実は、偉そうに語っている私自身、現場で当たり前になりすぎていて、メーカーからこれほど優しい対策商品が販売されていることを最近まで知りませんでした。気づいているようで、私自身もその盲点を見過ごしていた一人だったのです。

これからも現場の小さな「聞こえない声」を取りこぼさず、そっと手を差し伸べられる存在でありたい。体温計の小さな電子音をきっかけに、そんな訪問看護の原点を改めて見つめ直しています。

データの引用元:vol.177 難聴で認知症に? 加齢性難聴は早期に対策を

Carrie
URLの添付ができなかったので、コピペで引用元のデータを確認してね!

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Carrie Nakatsu
No Travel, No Life かつて、本や生活用品をスーツケースに詰め込み、10万円の超過料金を払って帰国したことがあります。 あの頃、知識は「重いもの」でした。 でも今は違います。 知識は軽く、どこへでも持っていける。 だから私は、 「人生を軽くする旅と働き方」をテーマに発信しています。