【訪問看護経営】MFクラウド勤怠を導入して感じたメリット・デメリット

訪問看護ステーションを運営していると、避けて通れないのが勤怠管理です。

タイムカードや紙の出勤簿は管理に手間がかかり、給与計算の前になると集計作業に追われることも少なくありません。

私自身、訪問看護ステーション運営時に「できるだけペーパーレス化したい」「給与計算を楽にしたい」と考え、MFクラウド勤怠(マネーフォワード クラウド勤怠)を導入しました。

結論から言うと、私は導入してよかったと感じています。特にGPS打刻や有給管理、給与計算との連携による事務負担の削減効果は大きく、小規模な訪問看護ステーションほど恩恵を受けやすいと感じました。

この記事では、実際に使用して感じたメリットとデメリットを紹介します。

Money Forward MEとクラウドの違い

項目Money Forward MEMoney Forward クラウド
対象個人個人事業主・法人
用途家計簿・資産管理会計・給与・勤怠・請求書
銀行口座連携
クレジットカード連携
家計簿機能
会計帳簿作成×
給与計算×
勤怠管理×
年末調整×
社会保険手続き×

私は個人でMoney Forward MEの無料版を利用していましたが、金融機関の連携数制限があり、複数の銀行口座を管理している人には少し使いづらく感じました。

MFクラウド勤怠のメリット

① GPS機能で打刻場所が確認できる

訪問看護は直行直帰や外回りが多い業種です。

MFクラウド勤怠では、従業員のスマートフォンから打刻が可能です。

さらにGPS機能があるため、

  • どこで出勤打刻したか
  • どこで退勤打刻したか

を確認できます。

MFクラウド勤怠

「本当に訪問先に行っているのか?」を監視するためではなく、勤務実績の確認やトラブル防止のために役立ちます。

管理者としても安心感があります。

一方で、GPS打刻を利用する場合はスマートフォンの位置情報設定が必要です。

実際に私のステーションでも、

「打刻できません」

と連絡があり確認したところ、スマートフォンのGPS設定がオフになっていたことがありました。MFクラウド勤怠の不具合ではなく端末側の設定が原因で、位置情報をオンにしたところ無事に解決しました。

導入時は、

  • GPSをオンにする
  • アプリの位置情報利用を許可する
  • スマートフォン設定を確認する

といった説明もあわせて行うことをおすすめします。

②有給休暇や遅刻・早退申請を自分で行える

紙の申請書を配布し、

「有給届を提出してください」

と言う必要がありません。

従業員自身がスマホやPCから

  • 有給申請
  • 遅刻申請
  • 早退申請
  • 欠勤申請

を行えます。

管理者は承認するだけなので、事務作業が大幅に減ります。

特に少人数の訪問看護ステーションでは、管理者が営業・訪問・事務を兼務しているケースも多いため、この機能は非常に助かります。

【管理者必読】「押し忘れました」に潜む性善説の罠と対策

各種申請がオンラインで完結するのは便利ですが、運用上の盲点もあります。

実際にあったのが、「打刻を押し忘れました」と後から申請してきたスタッフが、実は遅刻や早退をしており、それを隠すために打刻せずに編集画面から自分で入力し申告していたというケースです。

スタッフを信頼して「性善説」で運用していたのですが、結果としてルールを甘く見られ、「なあなあになっていたと」と痛感する悔しい経験となりました。

こうしたトラブルを防ぐため、導入初期から以下のルールを徹底することをおすすめします。

  • 安易に手動修正しない:原則としてその場でのスマホ打刻を徹底し、修正申請には具体的な理由を必須にする。
  • 客観的なデータと照合する:不審な打刻漏れが続く場合は、訪問看護記録の入力時間やGPSの打刻位置履歴と矛盾がないかダブルチェックを行う。

「信頼すること」と「管理を甘くすること」は別物です。最初から厳格なルールを敷いておくことが、結果的にスタッフとステーションの規律を守ることに繋がります。

③ペーパーレス化が進む

訪問看護ステーションは意外と紙が多い業界です。

  • 勤怠届
  • 有給届
  • 出勤簿
  • 各種申請書

など、気づけば書類の山になります。

MFクラウド勤怠を導入すると、多くの申請がオンライン化されるため、紙の保管スペースも不要になります。

書類を探す時間も減り、管理コストの削減につながります。

④給与計算ソフトとの連携がしやすい

MFクラウドシリーズを利用している場合、

  • 勤怠管理
  • 給与計算
  • 会計

を連携できます。

勤怠データを手入力する必要が減るため、入力ミス防止にも役立ちます。

毎月の給与計算業務がかなり楽になります。

MFクラウド勤怠のデメリット

①ITリテラシーが低いと導入時に苦労する

管理者側は便利だと思っていても、従業員全員が同じレベルでITに慣れているわけではありません。

実際には、

  • メールアドレスが分からない
  • パスワード管理ができない
  • 招待メールが見つけられない

といったケースもありました。

私のステーションは年配のスタッフが多かったため、MFクラウド勤怠の初期登録だけで1人あたり4時間近くかかったことがあります。

「自分のメールアドレスが分からない」

「パスワードの設定方法が分からない」

といったことが続き、ようやく登録が終わったと思ったら、最後に教えてもらったメールアドレスが間違っていた…ということが判明しました。

看護管理経験が豊富でも、スマートフォンやクラウドサービスの設定に慣れているとは限りません。

私自身、「システム導入よりもスタッフ登録の方が大変だった」というのが正直な感想です。

正直、スタッフ全員がスムーズに使いこなせるようになるまで、丸1ヶ月はかかりました。しかし、その最初の1ヶ月さえ乗り越えてしまえば、その後の運用は劇的に楽になりました。

導入初期のサポートさえ根気強く行えば、その先は何年にもわたって毎月の事務作業が大幅に削減されます。これから導入する方は、「最初の1ヶ月はサポート期間」と割り切って、少し長い目で見ておくことをおすすめします。

②前職でもMFクラウドを使っていた場合は切り替え作業が必要

意外な落とし穴がこちらです。

従業員が前職でMFクラウド勤怠を利用していた場合、現在の事業所へ参加する前に、以前の事業所との接続を解除しなければならないことがあります。

この作業はスマートフォンでは出来ず、PCから事業者切り替えを行う必要があります。

MFクラウド勤怠 事業者切り替え

MFクラウド勤怠の料金

※料金は変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

プラン月額料金(税込目安)主な対象
スモールビジネス約5,000円前後〜小規模事業者
ビジネス約7,000円前後〜従業員数が増えてきた事業所
IPO準備・中規模以上要見積り法人向け
MFクラウド料金表

導入時に考慮したい費用

項目内容
初期費用基本的になし
スマホ打刻可能
GPS打刻対応
有給管理対応
承認機能対応
ペーパーレス化可能
給与ソフト連携可能

意外な盲点:事業所を閉鎖する時はデータ保存が必要

MFクラウド勤怠は便利なサービスですが、事業所の廃止を行う場合は事前にデータを保存しておくことをおすすめします。

労働者名簿や賃金台帳、出勤簿などの労務関係書類は原則5年間の保存義務があります。そのため、廃止を行う際は、必要な帳票をPDFやCSVで保存しておくことをおすすめします。

クラウドサービスを解約すると、過去データへアクセスできなくなる可能性があります。

  1. 必要な帳票をPDFで保存
  2. CSVデータをダウンロード
  3. バックアップを複数箇所に保管

しておくと安心です。

開設時だけでなく、閉鎖時の出口戦略も考えておくことが重要だと思います。

データの保管期間

  • 主な保存期間
  • 労働者名簿・賃金台帳・出勤簿:原則5年
  • 法人税関係帳簿:原則7年
  • 社会保険関係書類:2~5年
  • 医療・介護関係書類:5年

訪問看護ステーションの場合、主な売上である医療保険・介護保険による訪問看護報酬は消費税非課税

  • 訪問看護報酬(医療保険・介護保険)→ 非課税
  • 自費サービス → 内容によっては課税対象
  • 物販等 → 課税対象
Carrie
私は後から保存期間を調べ直すのが面倒なので、ファイルごとに「5年保存」「7年保存」とテプラを貼って管理していました。訪問看護はカルテや計画書、労務書類など保存義務のある書類が多いため、最初からルール化しておくと後が楽です。

私は休止・廃止後もしばらくは法人を残しておいた方が安心だと感じています。

理由として、

  • 労働者名簿など保存義務のある書類の管理
  • 元従業員からの証明書発行依頼への対応
  • 税務・行政からの問い合わせへの備え

があります。

実際に開設予定の看護師から聞かれたこと

私自身、訪問看護ステーションの開設を検討している看護師から、MFクラウド勤怠について質問を受けたことがあります。

特に多かったのは、

  • 月額料金はいくらぐらいか?
  • GPS打刻はどのように表示されるのか?
  • スマートフォンだけで利用できるのか?
  • スタッフは問題なく使えるのか?

という内容でした。

実際の打刻画面を見た方がイメージしやすいと思い、個人情報が分からないよう加工したうえで、実際に使用していた打刻画面のスクリーンショットを見せながら説明しました。

公式サイトを見るだけでは分からない部分もあるため、実際の運用経験をもとに説明できたことはよかったと思います。

ただし、導入する際はスタッフのITリテラシーや事業所の運用方法に合うかどうかも確認することをおすすめします。

まとめ

訪問看護ステーションは常勤換算2.5人以上の人員管理や有給管理が必要なため、勤怠管理が曖昧になると後々大きなトラブルにつながります。開設準備の段階から勤怠管理の仕組みを整えておくことは、安定した事業運営の第一歩だと思います。

MFクラウド勤怠は、

  • GPS付きスマホ打刻ができる
  • 有給や遅刻申請をオンライン化できる
  • ペーパーレス化できる
  • 給与計算との連携がしやすい

という点で、訪問看護ステーションとの相性が非常に良いシステムです。

一方で、

ITリテラシーの低い職員へのサポートが必要

前職でも利用していた職員は設定変更が必要

という導入時のハードルもあります。

それでも、管理者の事務負担を大幅に減らせるため、私自身は早く導入してよかったと感じたツールの一つです。

訪問件数を増やすことも大切ですが、経営者の時間を守ることも同じくらい重要です。勤怠管理を自動化できるだけでも、月末のストレスはかなり減ります。

▼訪問看護ステーションの開設や運営について相談したい方は、お気軽にご連絡ください。

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ABOUT US
Carrie Nakatsu
No Travel, No Life かつて、本や生活用品をスーツケースに詰め込み、10万円の超過料金を払って帰国したことがあります。 あの頃、知識は「重いもの」でした。 でも今は違います。 知識は軽く、どこへでも持っていける。 だから私は、 「人生を軽くする旅と働き方」をテーマに発信しています。